2014年5月30日金曜日

「印傳極楽金魚」⑨希守池實


「そやな、変に統一感があるとキャラクターも映えんじゃがな。少々揺らいどった方が人間らしいやろ。」
「あんた人間カイ。しまった、またボキャブラリーが変になってきた。」
「ええやろ。ボキャブラリーも楽しまにゃ、ダチカンヨ。歴史の講義してもつまらんやろ。君も大学卒や、上杉謙信の成り行きは知っとるでしょうが。謙信は政虎にもなり、最後は輝虎ともなったように、わしの山猫姿を虎として扱ったのよ。毘沙門天の転生とも自分で言うようになったし、戦国時代の名君、武将、国の守護神になったやろうが。このわしがお使えしたからに他ならぬことじゃったのよ。」

「それで、この僕が上杉謙信のように偉くなるとでも。」

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