2014年6月16日月曜日

時代劇映画シノプシス「相良藩の夏」⑤希守池實


同日・同刻ごろ矢嶽村において・・・前代未聞の大事が
藩の御用意志青井天涯は、矢嶽村庄屋矢六に呼ばれて村に出かけたが、そこで発生した得体のしれない疫病が、すごい勢いで感染し、発病すると半日で苦しみ狂い死にする様を見て、重大な決心を迫られている。
彼の決心とは、矢嶽村で発生したこの疫病を矢嶽村の外へは出さないことを・・・
つまりは、“自分自身を含めて、今この矢嶽村にいるすべての者、すべての生き物を抹殺せざるを得ない”ということであった。

同日、昼過ぎ矢嶽村入口、猿之谷
 医師天涯は、家老恒松義彦宛てに、この疫病の始末を依頼した密書を作成し、矢嶽村の入り口猿之谷に結界をめぐらしてそこを通りかかる者を待っていた。運よく参勤交代の見送りを済ませた若武者の数人が猿之谷の結界を見つけ駆けつけてくれた。
天涯は結界をはさみ大声で藩士に家老への使いを頼むと、密書を矢に結んでその藩士の足元に射、渡した。
藩士は無言のうちに頷き、密書を引き抜き、馬に鞭をくれると繊月城へと一目散に駆け出して行った。


同日、夕刻、繊月城

0 件のコメント:

コメントを投稿